2024下期
ペン胼胝は何時しか失せて昼花火
夏没り日城壁残し津和野暮る
宵涼し恋しみなづき京の味
老い壮ん勇めど労らる祭
山陰や本線赤錆ぶ夏の潮
鱧尽し青磁の透ける薄造り
白暖簾小さき二文字の屋号かな
簾越し丹精の主逝きし庭
撃たぬまま閉じし要塞雷ひびく
青岬戦艦主砲を据ゑし跡
華開く静寂へ響く花火かな
迷走の台風接近子ら発つ日
千日紅伴侶未病の誕生日
衣被つるりと口へ指加減
新米や妻の口出す水加減
捕食圏天井灯内守宮生く
障子貼るCT診断終へし午後
舌いまも「二十世紀」が梨の推し
レンジ今あの日々芋は蒸す主食
シャワーしつ行水名残と独りごつ
散る一葉茅葺屋根の影斜め
襖閉ず釘隠には葵紋
菜雑炊三児とたつき母は背に
黙長し吾と末弟と夜の炬燵
紅葉山嫋やかに映ゆ樺の白
風を背に植うる葉牡丹土温し
幸棲むや木枯らし山の彼方より
紅仄か楓もみじの草木染
牡蛎洗ひ土鍋の縁に味噌を塗る
黄や斑入りポインセチアも世紀越え
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