2013下期

町衆の意気高々と鉾動く

宙を掻く長刀の揺れ鉾の町

「取り戻す」とはどの日本テントの夜

肺がんの検査の無事や月を待つ

秋出水農夫は畦に立ち尽くす

助け合ふ嫁と姑や秋の岳

「良い趣味」と人立ち去らず紅葉描く

修学院離宮
野の遊び上皇も見し夕紅葉

後れ蚊の執念かくも痒き凸

数寄偲ぶ焼けし茅葺桐一葉

妻と語る京の暮らしや土瓶蒸し

「夕食は鍋のおでんを」箋白し

颶風去る青木落ち葉の堆し

旧友と時代祭りが歩いて来

鳥を呼ぶ稚児百合の実や末枯れて

女人ひとり舞ふ白虎隊菊まつり

包丁研ぐなほ泡ぷくと松葉蟹

灯消し初む羽子板市に手締め聞く

冬日向巨砲祉丘に威を遺す

富士真白灯台岬に帰り花

頭を揃へ逃げて香るや柚子の風呂

賀状来る神在に棲む不信心

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